2020年8月1日土曜日

私とサガスカ

サガ スカーレット グレイス 緋色の野望の2周年まで、後1日となりました。
この2年間、このゲームに魅せられて毎月欠かすことなくプレイを続けています。
前回はサガスカの魅力について語ったので、前夜祭である今回は、私がサガスカに対して抱いている思いについて語っていきたいと思います。

サガ スカーレット グレイス 緋色の野望が発売されたのは、2018年8月2日。
その頃の私はというと、空っぽでした。

丸一月絵を描かないこともありました。Twitterは半年以上沈黙を貫いていました。
実生活では精神的な支えを失ったことで辛い毎日を過ごし、趣味の面でも最愛の存在が悪い方向に転がっていくのを見て、日々喪失感が積み重なっていくどん底な状態でした。

「好き」という感情が抜け落ちた状態では、創作はできません。
新たな好きを見つけたいと色んな音楽を聞きました。漫画も読みました。楽しそうだなと思うゲームもやりました。

けれども、どれもしっくりきませんでした。ゲームに関しては導入の部分で疲れ果て、本編に入れないことがほとんどでした。
いわゆるソシャゲもいくつかダウンロードしてみましたが、やることが多すぎてチュートリアルで全て断念してしまうという結果に……。

それならばとPSPを引っ張り出して昔ダウンロードしたゲームをプレイしてみましたが、あんなに大好きだったFF7ですら、システムや演出が億劫でプレイできないことに気付きました。
この時はさすがに、
「これではもう2度とゲームなんてできないのでは…?」
と途方にくれました。

そんな中でも、最後までプレイできたのがスマホ版ドラクエ3やドラクエ5でした。
システムや演出がシンプルかつ媒体がスマホのため、気軽にプレイできたからです。
(進め方を覚えていたというのも大きいですが…)

「もしかしたら、スマホで買い切りのRPGならできるのでは…?」
と思い立ち、ちょうど話題になっていたマリーのアトリエPlusを購入。
見事にハマり、賢者の石を作ったり、図鑑をコンプリートすることもできました。

できるゲームをプレイしていく内に、少しずつゲームに対する気持ちは上向きになっていきました。毎日のように、新作ゲームをチェックして、自分に合いそうなものを探しました。

そんな時、1つのゲームタイトルが目に入りました。

"サガ スカーレット グレイス 緋色の野望"

思わず、手が止まりました。
「サガの最新作がスマホで遊べる!?」
と、はやる気持ちを抑えながら、詳細を調べにネットの海に走りました。

vita版が発売された当時から「サガスカは面白い」という話は耳にしていました。
けれども、本当に楽しめるのかという強い不安がありました。いくら調べても、戦闘システムが独特すぎて理解できなかったからです。
さらには、ダンジョン探索も街探索もない……未知のゲームシステムが購入を躊躇わせました。

それでも、"サガの最新作がスマホでプレイできる"というのは大きな魅力でした。
値段も発売セールで安くなっていることもあり、宝くじを買う気持ちで購入。

アプリを立ち上げて、タイトル画面が表示された時は胸が高鳴りました。
サガシリーズをプレイするのは、DS版サガ3時空の覇者以来。リメイクを除いた新作という括りで言えば、それこそGBサガ3時空の覇者以来のサガシリーズです。

彗星の導きに従って、ウルピナでゲームをスタート。
まず驚いたのは、OPイベントが簡潔にまとめられていることでした。
昨今のゲームなら、ムービーを入れてストーリーや世界観を表現したり、チュートリアルがあったりして、実際にキャラクターを操作できるまでに時間がかかるのが当たり前……だと思っていたのですが、サガスカのOPイベントはそれらが全くなかったのです。

主人公の旅立ちの理由が説明されて、はい終わり。あとは自分で頑張って!
とでもいうかのように、短時間でフィールドに放り出されました。それこそ、FCやGBのゲーム並みの進行スピードで。

OPの良い意味での驚きが収まらない中、流れてきたBGMに思わず息を呑みました。
ウルピナのフィールド曲「花咲きほこる時」が、あまりにも芯の通った綺麗な曲で、心を射抜かれたのです。しばらく、キャラを操作することも忘れて聴き入ってしまったほどに。

恐る恐るキャラを操作し、まるで飛び出す絵本のようなフィールド画面を右も左もわからない状態で進んでいきます。まさに、主人公のウルピナと同じ状況です。
そんな中で頼りになるのは相棒のモンド。説明役が居てくれることで迷わずにストーリーを進行させることができました。

不安視していた戦闘は、最初こそ戸惑いましたがTIPSで丁寧に説明してくれるので、数戦こなす頃には勝手がわかってきました。
敵の攻撃から戦略を組み立てる、BPの配分を考える、連撃、閃き、インタラプト、プロテクト、カウンター……
戦闘に必要な要素を一つ一つ理解していくうちに、このパズルのような戦闘に完全に魅せられていました。

一戦一戦が重たく、ボタン連打では決して勝てない…通常戦闘が作業ではなく思考になっていることは衝撃的でした。
戦略が上手く決まった時の爽快感、裏目に出た時の敗北感。閃きや恩寵がもたらす偶然の形勢逆転。
一戦の間に一喜一憂が巻き起こり、一つとして同じ展開はあり得ない。

どうしても勝てなかった強敵にギリギリの状態で勝てた時には思わずリアルで「よし!」と声が出ました。自然とガッツポーズをしていました。

気が付けば、プレイ時間がどんどん増えていきます。
もっと戦いたい。もっとこの世界を巡りたい。と、夢中になってプレイし続けました。
最終的にウルピナ編の総プレイ時間はゲーム内表示で90時間を超えていました。(アプリの不具合もあったため、実際にはもっと短いとは思いますが…最低でも50時間は超えているはず。)

ウルピナ編を終えて、すぐに2周目のタリア編を開始。
ウルピナとモンドのペアに愛着を抱いていたため、別の主人公でも大丈夫かな…と最初は不安に思いましたが、タリアさんとカーンのペアがあまりにも魅力的すぎたためそんな不安はすぐに消し飛びました。タリアさんに翻弄されるカーンがあまりにも不憫でいいやつで…。

2周目ということもあり、攻略本も解禁。ウルピナ編では1番弱いファイアブリンガーと闘ったので、タリア編では強い方のファイアブリンガーと戦うことに。
ファイアブリンガーに関しては、別途語りたいのでここでは省略します。

そして、タリア編を終えての3周目。満を持してプレイしたバルマンテ編で、わたしはサガスカ沼のさらなる深みに引き摺り込まれます。
一言で言うならば、

すごい。

もはや語彙力が吹き飛んで「すごい。」としか言えなくなるほど、バルマンテ編のストーリーに引き込まれました。
これまではどちらかというとストーリーや世界観よりもシステム重視でサガスカを評価していたのですが、バルマンテ編を経たことで"ストーリー"、"世界観"、"システム"の全てにおいて最高峰のゲームとして君臨しました。

何がすごいかってネタバレにならない程度に話すと、バルマンテだけはファイアブリンガーとまともに喋ってくれるっていうところ。

ファイアブリンガーの真意が聞けるのはバルマンテ編だけです。ストーリー面では正規主人公と言っても良いじゃないかってくらいしっくりきた。
タリアさんも対等に話してはいるけど、ある意味対等すぎたというか、互いに芯が強かったというか…。(この辺りはタリア編で第3章をシグフレイ編にするとよくわかります。)

可能ならぜひ全EDを見て欲しい。6種類とも全部良い!ある条件で大きく2パターンに分類されるのですが、その条件や展開も刺さる人にはとんでもなく刺さるという……。

わたしは完全に性癖にストライクでした。あまりに好きすぎてそこからしばらくバルマンテ編から抜けられなかったほど。(結局3周ぶっ続けでバルマンテ編をプレイして、いったんレオ編をプレイしてからまたバルマンテ編に戻って全EDを見た。)

これについて詳しく語るとネタバレになるので、ファイアブリンガー語り(完全ネタバレ語り)の時に一緒に触れます。
とにもかくにも、バルマンテ編はハマる人はとことんハマるシナリオだと思います。

何よりバルマンテがかっこいい。アーサーがあざと可愛い。マリオンちゃんが良い子すぎて可愛い。残りのアーサー護衛団の面々も個性的で魅力的。好き!大好き!!

バルマンテとアーサーのやりとりを見ているだけで楽しいから、何周しても飽きないという……かれこれ実質8周くらいバルマンテ編をプレイしていますが、まだ見たことない会話や展開があるのが恐ろしい。
サガスカすごい。河津神は真の神だった……。

さて、あまりにも熱くバルマンテ編を語ってしまいましたが、最後のレオナルド編についても触れてみようと思います。

レオ編は自由です。フリーダムです。お祭りです。
フリーシナリオという言葉がぴったりのカオスな絵面が楽しめるのはレオ編だけ!

緋の欠片編がベースなのですが、そこに大地の蛇編、不死鳥編、シグフレイ編がごった煮状態で発生します。さらには、他の主人公を全員仲間にできるのも、他の主人公の時に仲間にできるのもレオナルドだけです。

サガスカオールスターとでもいうべきレオ編は、最初か最後にプレイすることをおすすめします。わたしは集大成として最後にプレイしましたが、最初だったらそれはそれは衝撃的だっただろうなと思います。

そんなこんなで今もなおわたしの心を掴んで離さないゲーム。それがサガ スカーレット グレイス 緋色の野望です。

サガスカのおかげで、ロマサガRSを抵抗なく始めることができました。
好きだという気持ちを表現したい!という思いから、創作活動も再開することができました。

そして、その好きをTwitterで発信し続けてきた結果、たくさんの方々と知り合い、やりとりすることができました。ありがたいことに絵や語りにも嬉しい感想や反応をいただけることが増え、創作活動がどんどん楽しくなってきました。
2年前には、あんなに閉鎖的だったわたしの世界は、サガスカに出会ったことでこんなにも光がさす場所に変わりました。

幼少期にゲームの楽しさを教えてくれたのは、サガでした。
そして今、改めてゲームの楽しさを教えてくれたのも、サガでした。
だからこそ、ロマサガRSという新しいゲームの形式で多くのサガユーザー、そして新規ユーザーが集まり、交流できる機会が生まれたことを嬉しく思います。

こんなにも素晴らしいゲームをこの世に生み出してくれた製作陣のみなさまに心から感謝します。長きにわたりサガシリーズを続けてくださり、本当にありがとうございます。
ロマサガRSの今後の展開も、サガシリーズの完全新作も楽しみにしています。

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