Sa・Ga3時空の覇者 完結編。
このゲームは、とても難しいゲームです。
何と言っても難しいのが、サガシリーズにおける立ち位置です。
この作品ほど賛否両論が分かれるゲームも珍しいと思います。
何故かというと、サガシリーズで唯一河津さんが関わっていない作品だからです。
制作したのは、スクウェア大阪チーム(故に、くいだおれという敵やハリセンという武器が存在します)。
前2作からシステムががらっと変わったこともあり、この作品をサガシリーズと認めないという方も少なからずいることと思います。
そう、時空の覇者は、サガシリーズにおいて明らかに異端な存在です。
レベル制やMPの概念が存在し、魔法は買って覚えます。
これまでのGBサガというよりも、FFに近いシステム……。
つまり、一般的にいうところの正統派RPGだったのです。
この変化に大きく戸惑った人物がいます。わたしです。
前の記事で語ったように、わたしは秘宝伝説に鍛えられて育ちました。
そのため、ドラクエやFFのような正統派RPGに全く触れないまま時空の覇者のプレイを始めたのです。
電源を入れると、いきなりバトルトレーナーの戦闘が始まります。
秘宝伝説とは違う戦闘画面にも驚きましたが、一番驚いたのは、
「武器や魔法に使用回数がない!?」
ということでした。
さらには、ぶき、のうりょく、まほう、アイテムと書かれたアイコンの意味もよくわからずひたすら混乱していたことを覚えています。
しかし、それは序の口でした。
これまでとは異なる変身方法、複雑なステータス画面、魔法の買い方・覚え方、アイテムの使い方……などなど、わからないことだらけ。
レベル上げの概念がなかったこともあり、魔界塔士とは別の意味で苦しみ、あまりの難しさになかなか攻略を進めることができませんでした。
しかし、それがマイナス要素だったかというとそうではなく。
「武器を買ったら無限に使えるとかすごい!!夢みたい!」
「エスパー以外も魔法を覚えていいの!?やったー!」
「ムオンもサモンもメタモルも楽しい!」
「ジャンプするの楽しい!」
「ステスロスかっこいい!強い!速い!!」
……などなど、これまでとは違うゲームシステムを楽しみながらプレイしていました。
けれども、レベル制にはなかなか慣れることができず、異次元ワープをしてからはボス戦ごとに苦しんでいました。
中でも、フェンリル、ベリアル、ボルボック……ボルボックに至っては倒せなくてわんわん泣きました。ドット絵も怖かったですし。
レベルを上げれば勝てるはずなのですが、秘宝伝説で"戦うたびにパラメータが上がる楽しみ"を知ってしまったわたしにとって、一定数の経験値を貯めないととパラメータが上がらないレベル制は、やきもきするシステムでした。
戦えば強くなるのは理解できるのだけど、ご褒美が待ちきれなかったのです。
ドラクエやFFがプレイできるようになった今でもこの感覚は残っていて、戦闘に何かしらの成長要素を求めてしまいがちです。
サガスカは技を閃くし、ランクアップするし、HPや武器レベルも上がるしでご褒美いっぱいで楽しいし、ロマサガRSはそのご褒美のために周回しているようなもの。
そりゃあ、はまるわけだ。と手元で動き続けているロマサガRSの画面を見てしみじみ思います。
そして、何といっても難しかったのがラスボス、ラグナ戦です。
ドM神(酷)ことソール神をぼこぼこにした後に登場するラグナ。
恐ろしかったのは強さだけではありません。本気を出した時の見た目があまりに怖くて、画面を直視できなかったことを覚えています。
先のボルボックでも触れましたが、時空の覇者のボスドットは怖いのが多い気がします。ネットで検索してみたらクトゥルフ神話が元ネタなのではという考察があってなるほどと思いました。
それなら陰湿な印象を受けるのも納得できる。怖いよう。
さて、ここまで読んでくださった方の中には、
「そんなに難しかったっけ……?」
と不思議に思う方もいるのではないかと思います。
時空の覇者を知っている方に話すたび、そう指摘を受けました。
「時空の覇者が一番簡単にクリアできた。」とも言われました。
先述したレベル上げも原因ではありますが、これは直接的な理由ではありません。
わたしが時空の覇者をクリアできなかった最大の理由は、
"聖剣を装備すればボス戦が楽になる"
という情報を知らなかったことにあります。
ラグナ戦ではエスパーにアシュラやフレアを使わせていたし、人間とサイボーグはひたすらかくばくだん(お店で買える)を投げていました。それが一番強いのだと信じて。
まさかと思い、半信半疑で全員に聖剣を装備させて挑んだところ、あっさりとラグナに勝つことができました。
驚くと同時に湧いてきたのは「これ、どこかにヒントあったっけ…?」という思いでした。
多分あったのだとは思うのですが……(覚えてない)。人の話はちゃんと聞かなきゃいけないんだなと痛感した出来事でした。
以上、Sa・Ga3時空の覇者 完結編の思い出話でした。
DS版では、DS版サガ2の要素が引き継がれ、システムごとリメイクされた、サガらしいゲームになりました。それはすなわち、正統派RPGの要素を捨てたということになります。
正統と異端とはどう定義されるものなのでしょうか。
GB版サガ3は、正統ゆえに異端と、一部から冷たい目で見られました。
しかし、サガという看板を背負っていなければ、正統派RPGとして一定の評価を得たと思うのです。実際に、ゲームの出来自体はとても良いのですから。
では、サガシリーズは異端なのか。これもそう言い切るのは難しいです。
わたしのように、このシステムの方がしっくりくるタイプの人もいます。
そう言った人たちから見たら、正統と言っても良いのかもしれません。
結局は人それぞれ。捉え方次第なのかな……と思っていたのですが、
「ドラクエは誰でもクリアできるように考えて作られている。だからスタンダードなんだ。でも、サガシリーズはそうじゃないでしょう。あの難易度は人を選ぶ。」
と職場の先輩が話すのを聞いて、
「あぁそういう考え方があるのか。」
と素直に納得することができました。
これが"正統と異端"に対する一つの答えなのではないかと、わたしは思います。
思いの外長文になってしまいました。次は、ロマサガ……と行ければいいのですが、実は、ロマサガ〜アンサガまでは、語れる程の思い出がないのです。
触りをプレイしただけとか、兄がプレイしているのを見ているだけとか、そういうレベル。
サガスカについて語るとなると、ネタバレ不可避の膨大な量になるのは目に見えているので、ちょっとずつ書いていこうと思います。ファイアブリンガーについてだけでも膨大な量になりそう。
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