2020年5月4日月曜日

強く高い壁に挑む

強いボス。それは、様々なジャンルのゲームに存在します。
専用の戦闘曲をバックに、圧倒的な強さで襲いかかってくる。強ければ強いほどに、その存在は印象に残り、繰り広げた死闘は忘れられない思い出となります。

わたしが初めて出会った"強いボス"はSa・Ga2秘宝伝説のアポロンでした。

アポロンとは,Twitterでも有名な神……ではなく(ネタにしてすみません;;),Sa・Ga2秘宝伝説に出てくる新しき神々の1人です。

初めて会う時は主人公たちに協力的で,秘宝をくれたり,ヒントをくれたりします。
良い人を装っていますが、正直,胡散臭さは隠せません。アポロンの世界に住む人の中にも怪しんでいる人はおり、伏線が貼られています。
レースの街で再会し(この時点でそうとう怪しい),次に出会うのは最後の世界。
ここにきてアポロンは隠していた本性を表します。そして、主人公たちと敵対することとなるのです。

アポロンと初めて戦った時のことは、今でもありありと思い出せます。
当時,わたしは幼稚園児。5歳だったと記憶しています。
初めてプレイするRPGの魅力に取り憑かれ,家にいる時には常にGBを手にしていたそうです。(祖母談)

「絶対に勝つんだ!」
そう意気込んで臨んだ結果は,完敗。それはもうボロボロにやられました(主にフレアが原因)。
負けたのが悔しくて、何度も何度もアポロンに戦いを挑みました。けれども、その度にアポロンはわたしを跳ね除けます。
どうにか崩壊まで耐え切れたとしても、父親しか生き残っていなくて全滅……。

いつしかわたしは泣きながら戦っていました。
「どんなに戦っても勝てない。」「無理だ。」
と頭では理解していても,あまりにも悔しくて負けを認めることができなかったのです。

最後にはどうしようもなくなり、ゲームが得意だった兄に泣きついてアポロンを倒してもらいました。
そして、強くなったパーティーを引き継いでエンディングを迎えることができたのです。

けれども,それで満足できるわけがありません。
アポロンに「勝てない」から諦めるのではなく、「勝ちたい」という一心から、よりいっそうこのゲームにのめり込んでいきました。

アポロンに勝てなかった理由は,至極簡単なものです。
当時のわたしには,RPGの基本的な知識も技術も全くというほど身に付いていなかったのです。
今思い返すと、どうやってアポロンまで行くことができたのか…と不思議に思うほど。

まず,防具を買うという概念がありませんでした。防具は拾ったものしか装備してはいけないと思い込んでいたのです。
そうではないことがわかって、最初の町でブロンズ装備を購入した時はドキドキしました。本当に買っていいのかな?と何故かきょろきょろと周りを見渡すなんてこともして。
巨人の町周辺で戦い続けて巨人アーマーを購入した時は嬉しかったです。

次に、戦略の重要性について学びました。
アポロンと戦うまでは"ボスには銃火器系で攻めれば勝つことができる"と考えていました。
ビーナスにはしゅりゅうだん、大御所やオーディンにはビームライフルやレオパルト2…など。
しかし、それと同じ方法ではアポロンに勝つことはできませんでした。

なぜアポロンには一部の武器しか効かないのか。フレアの威力に耐え切れないのか…。
試行錯誤した結果、アポロンに効率良くダメージが通る武器を見つけることができました。フレアに耐え切るためにはいやしのつえで回復することが有効だと気づくことができました。

パラメータを上げて、装備やアイテムを整えて、何度も何度も挑戦して……。
アポロンを初めて倒すことができた時の達成感と幸福感は,今思い出してもかけがえのない宝物です。
諦めずにプレイすれば,いつかは先に進むことができる。プレイヤーキャラと共に,自分自身も成長することができる。
そんなRPGの面白さの芯に触れることができた瞬間でした。

あの時,アポロンを倒すことを諦めていたら,今のわたしはいないと思います。
諦めずに挑みつつけることで,試行錯誤して成長する楽しみを,困難を乗り越える喜びを知ることができたからこそ,今でも楽しくゲームをプレイできていると思うのです。

そう考えると,わたしにとってアポロンとは,最強のボス……高い壁であるとともに,ゲームの師と呼べる存在なのかもしれません。
その後,はにわというさらなる高い壁にぶつかり,小学校6年生になるまで挑み続けることになるのは,また別のお話……。

0 件のコメント:

コメントを投稿